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yutori 片石貴展は、お金という言語を使って、ゆとり世代の価値観を大人たちに語りかける。

お金の付き合い方は人それぞれ。どうやって稼ぐか、何に使うか、どれくらい貯めるか。そこに価値観や生き方が表れるような気がします。そこで、さまざまな人に聞いてみることにしました。「あなたにとってのお金とは?」を。今回話を伺ったのは、フォロワー23万人を超えるInstagramメディア「古着女子」などを運営する株式会社yutoriのCEO片石貴展さんです。

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片石貴展(かたいし・たかのり)|1993年神奈川県生まれ。明治大学商学部卒業後、株式会社アカツキに入社。新規事業部の立ち上げに従事する。2017年12月にInstagramで「古着女子」を立ち上げ、開設から5ヵ月でフォロワー10万人を獲得。これを契機に2018年4月に株式会社yutoriを創業。90年代ボーイッシュテイストな古着コンセプトショップ『9090』や古着 × 韓国 MIXのミレニアル世代特化のスポーツブランド『dabbot.』、下北沢のコミュニティスペース『pool』などを展開している。

言語化できない、感覚的なところで繋がりたい

——今は何にお金を使ってますか?

役員報酬を絞ってるから、あんまり個人的な消費をしてなくて。だから、高校生の頃とお金の使い方はほとんど変わってないと思います。家賃を払って、飯を食って、休日は毎週のように原宿とか下北沢で古着を買うっていう。

——物欲とかはない方ですか? 好きな古着が買えればいいみたいな。

いや、人並みにあると思うんです。でも、それ以上にyutoriという会社をいかに価値あるものにしていくかしか考えてないですね。現象を巻き起こしていきたいというか。だから、自分の消費にまで意識が向かなくて。

——会社にお金をかけたいという考えの根本には何があるんですか?

僕の親が中小企業の経営者だったので、普通の家庭より自由に使えるお金が多かったんです。だから、どれくらいのお金があったらどんなものが買えるとか、どんな生活が送れるかはなんとなく知っているというか。そうやって感覚的にわかるものをなぞることには興味をそそられなくて。自分の中で物質的なものより精神的なものに価値の比重が置かれてるんだと思います。誰も想像してなかったものとか、誰も見たことのないものをつくりたい。それによって、これまで得たことのない感動を味わいたいなって。その方が楽しいし、生きる希望も湧くし。

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——それって古着屋で自分のお気に入りを見つける感覚に近いですよね。一点モノを追い求めるみたいな。

ああ、確かに。ファッションって、究極的な話をすると、個人の哲学や思想を服というアイテムを通してキュレーションしていくことだと思うんです。僕にとってyutoriという会社もある種それに近いんですよね。

——というと?

会社によっては「時価総額数億円の会社になる!」とか目標を掲げているところもあると思うんです。けど、うちはそういう感じではなくて。言語化できないところで繋がりたいし、そういう雰囲気を嗅ぎつけてきた人と一緒に働きたい。そういう美学を持ってるんですよね。

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臆病な人たちの背中を押す存在になりたい

——起業したときにそういうマインドになったんですか?

大学生のときからそんな感じでした。一時期アイドル活動をしていたんですけど、そのときも稼いだお金を個人的なことに使ったりはしなかったですし。

——会社をもっと大きくしようとは思ってないですか?

もちろん個人事業主ではなく会社という形を選んでいるので、結果として規模が大きくなったり、関わってくれる人の数が増えたりするのはいいと思うんです。でも、それが自分にとって価値の高いことなのかと言われるとそうではないかも。

——そうすると、どこに価値を置いているんですか?

僕たちはyutoriを「ミレニアルコンテンツカンパニー」と銘打ってるんですけど、それはある意味で問題提議でもあって。好きなことで生きていくスタイルって個人単位ではアップデートされてるけど、会社単位ではまだできてないと思うんです。

——確かにインフルエンサーとかYouTuberみたいにタレント化している人はたくさんいますよね。それを会社でも実現しようと。

会社のミッションが「臆病な秀才の最初のきっかけをつくる」なんですけど、結局はそこに尽きるんですよ。僕たちの世代って、ある意味でクリエイターなんです。生まれたときからインターネットがあって、SNSとかで自分のことをさまざまな形で発信しているから。だけど、その「クリエイター」という言葉に惑わされて、行動できない人がたくさんいる。それってなんだか旧来の価値観を引きずってる気がして。

——どういうことですか?

今までは自分と他人のパラメーターを比較することで優劣をつけてきたと思うんです。でも、これからは一人ひとりが良いところも悪いところも認めたうえで、他人と補い合っていくことが大切なんじゃないかなって。そうしたら、誰かを揶揄したり、足の引っ張り合いをしたりすることも少なくなるし、もっと挑戦しやすい環境が生まれると思うんです。

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——確かに。

それに自分の好きなことをするのって基本的に恥ずかしいじゃないですか。詩を書くのも、曲をつくるのも、好きな服を着るのも。だけど、そこで生まれてくる恥ずかしさって積み重ねていくうちに薄れていくから、はじめの一歩を僕らが後押ししたい。それを言い続けていても、利益が生まれない状態だと売れないインディーズバンドの楽屋の愚痴にしかならないから、きちんとお金も稼いでいきたいなって。川谷絵音さんと、なんだかよくわからないけど古着が好きな男では説得力が違うじゃないですか(笑)。

世代を超えてわかり合うための言語がお金

——そうすると、お金でも結果を出したい気持ちが強いですか?

それはめちゃくちゃありますね。上の世代が僕たちをカテゴライズするときに「これだから、ゆとり世代は」ってよく言うじゃないですか。でも、そこで僕は「おっさんはうちらのことを理解できない」って二分するようなことは言いたくなくて。逆に上の世代の人に褒められたい。そのためには説得材料が必要だと思うんですけど、そこでお金はすごく良いツールになるんじゃないかなって。結果としてわかりやすいから。

——上の世代にも認めてもらいたいからこそ、お金を稼いでいくんだと。

資本主義では、世代を超えてわかり合える唯一の言語が数字であり、お金だと思うんです。だから、自分たちの価値観を提示しつつ、社会の公的な指標として見たときにも結果が出ている状態を目指しています。でなければ、会社である意味もないので。

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——そうすると、服を売ること以外にもマネタイズの方法を考えているんですか?

はい、もうガンガンに。こんなもんじゃないと思ってます。まだ自分のやりたいことの10%ぐらいしかできてないですから。

——それは頭の中で構想は描けているけど、形にできてないことが多いということですか?

そうですね。絵は描けているので、それをきちんと社会に出して結果に繋げていきたいです。うちってアパレルとかInstagramマーケティングの会社だと思われてるんですけど、全然そんなことなくて。これまではすでにあるものを今っぽい形にリミックスしていた感覚なんですね。例えば、Instagramでアカウントをつくって、そこからECサイトに繋げていく手法はどこのアパレルメーカーもやっていることじゃないですか。大きく違うのは、Instagramの文脈の中だけで完結させず、いわゆる原宿ストリート的な概念を持ってきたことなんですよ。

——原宿ストリート的な概念?

僕が高校生の頃は、原宿のローソン前にスナップされたい人がたくさん溜まっていて、ひとつのコミュニティを形成していました。それをInstagramを通してリバイバルさせたのが「古着女子」で。そういうカルチャーを感じさせるものを今後もつくっていきたいですね。僕らの表現したい本質の部分をもっと突き詰めていきながら。

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——それに対してお金をどう使っていく予定なんですか?

まだ形になっていないので言えることが限定されるんですけど、今までより大きなステークホルダーを巻き込んでいく予定です。それができたらマネタイズもきちんとできるんじゃないかなって。

——とにかくいろんな人を巻き込みたい気持ちが強い?

そうですね。才能のある人と一緒に、誰も想像してなかった未来をつくっていきたいから。例えば、僕らの新しい拠点「POOL」もコンセプトメイキングから施工完了まで1ヶ月ぐらいでつくったんですけど、デザイナーは空間デザインにはじめて挑戦してるんですよ。そうやってyutoriというフィルターを通して新しいことにチャレンジしてくれる人が増えればいいですよね。そのために僕は、起業の道を選んだので。

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文・ペイミーくんマガジン編集部 写真・室岡小百合


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