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工藤まおりは、時間とお金の等価交換を経て、幸せが何か少しだけわかった。

お金の付き合い方は人それぞれ。どうやって稼ぐか、何に使うか、どれくらい貯めるか。そこに価値観や生き方が表れるような気がします。そこで、さまざまな人に聞いてみることにしました。「あなたにとってのお金とは?」を。今回話を伺ったのは、2019年4月にTENGAから独立した工藤まおりさんです。

工藤まおり(くどう・まおり)|東京都出身。津田塾大学数学科を卒業後、リクルートグループを経て2015年に株式会社TENGAに入社。「TENGA」や「iroha」のPRを担当する。2019年4月に退職。現在はフリーランス。@maori212

本能的だと思われるけど、実はすごく理性的

——工藤さんってどんなことにお金をかけていますか?

体験ですね。大学生の頃は日本でおいしいものを食べる方が好きだったんですけど、社会人になってから海外旅行をするようになって。それでいろんな場所に足を運ぶようになりました。去年は、ふと思い立って南アフリカに行ってきたんですよ。

——どうして南アフリカに?

一時期、動物になりたくて(笑)。

——動物!?

私、本能的な人間だと思われがちなんですが、実はけっこう考えてしまうタイプなんです。何も考えずにもっと行動できたらいいなと思うんですけど、どうしても理性が邪魔をしてしまう。だから、本能のままに生きる動物を生で見てみたいなと。それをいろんな人に話していたら「南アフリカに行ったほうがいいよ」って提案されて。

——本能で動きすぎないように理性で抑えてるんですね。

大学生のときはもっと行動的で、誰かに誘われれば飲み会やご飯にも気軽に行っていたんです。でも、それを繰り返しているとスケジュールがすべて埋まってしまうし、お金もどんどん減っていくから、途中から時給換算で5,000円以上の価値があると思うものじゃないと行きたくないと思うようになって。

——時給換算で5,000円以上……。それはどうやって計算するんですか?

例えば、1回飲み会に行くとすると、飲む時間が3時間。準備に1時間。移動に1時間。計5時間費やしていることになりますよね。私、学生時代に時給単価5,000円を稼いでいたことがあるので、もし飲みに行かずにその時間を仕事に費やしたら2万5,000円は稼げているわけじゃないですか。だから、飲み会に行く前に“金額換算すると2万5,000円の価値があるのか?”を考えてる感覚です。

——行くか、行かないかはどうやって決めるんですか?

まず考えるのは、自分がその人と一緒の時間を過ごして幸せかどうかと、その人が好きかどうか

——工藤さんはコスパに対する意識が強いんですね。

そうですね。無駄なことに時間もお金もかけたくないので、意味をすごく考えてしまうかもしれないです。居心地が良い人と過ごせるなら、いくら「奢る」と言われても、「お金払わせてください」って言っちゃいます。自分も素敵な時間を過ごさせていただいたのに、向こうにだけ負担させるのはなんだか申し訳ないので。

——誰かに奢られたいという気持ちもないし、一緒に楽しい時間を過ごせるのであればお金も時間も気にしないと。

そうですね。会いたい人に会うことが私にとっての価値なので。

——ちなみに、工藤さんにとって居心地の良い人はどんな方なんですか?

考えが凝り固まっている人と一緒にいるのは辛いですね。こうゆうのが普通と押し付けられるのがすごく嫌いなので。あと、いやらしい目で見てこない人とか(笑)。

——ちょっと話が逸れるかもしれませんが、「男性だから、女性だからで決めつけないでほしい」と思うときと、「女性として見られたい」と思うときがあると思うんです。それはどう区別しているんですか?

もちろん、私も女性として見られたいし、かわいいと言われたら嬉しいです。でも、「女とはこういうものだ」という価値観の押し付けは嫌ですね。例えば、私がTENGAに転職するときに「女はこういう仕事をするものじゃない」、「女の子はやるべきことじゃないからダメ」と周りの人に言われたんです。

——生き方や考えを押し付けないでほしい、と。

以前お付き合いしていた人は「向いてると思うし、応援してるね」と言ってくれたんですよね。性に関するビジネスに携わると性的対象に見られることがあるので、嫌だと思う人もいるはずなんですけど。「女」であるという事実よりも前に、「私」という人間を理解して、私がしたいことを応援してくれる姿勢が嬉しかったです。

人に注目されないと生きていけないと思っていた

——工藤さんは経験したことをコンテンツ化しようという意識が強いと思っています。そのマインドもお金と通じる部分はありますか?

経験することで話のネタになりますよね。面白いエピソードを持っている方が人から興味を持ってもらえるかなと思います。

——人に興味持ってもらいたいという気持ちが強いんですか?

ちょっと怖気づくようなこともやってみると楽しいと発信するのが好きなんですよね。それに人から求められるのってすごく重要な生存戦略だと思うんです。だから、ある程度注目されるようなネタやコンテンツを持たないとなって。

——そうした意識からなのか、工藤さんはけっこうタブーに突っ込んでいきますよね。

本当にそうだと思います。

——TENGAに入社してからそういう考え方になったんですか?

それより前からですね。人に注目されないと生きていけないとずっと思っていたので。

——いつからですか?

小学生の頃に、父親に劇団に入れられて子役をやっていたことがあるんです。でも、オーディションで全然選ばれなくて。演技力が同じくらいの子が受かっていくのを側から見ていたら、大人と会話できることがすごく重要な要素だったんですね。それで人から興味を持たれるようになるにはどうしたらいいんだろうとすごく考えるようになって。それで、みんなが行く方向とはあえて逆に行くようになったのかもしれないです。必死なんです。

——今も必死ですか?

必死ですよ。つい先日会社辞めたのでなおさら。これから先どうなるかわからないので、ちょっと怖いです。その一方で、ひとつの会社に属することへの危機感もあって。

——会社が倒産したらその瞬間に毎月もらっていたお給料をもらえなくなるわけですもんね。

だから今は、PRの仕事と書く仕事の2パターンつくって、複数の会社と仕事してます。

——ちなみに、結婚して仕事をやめようとは思わないんですか?

永久就職って怖くないですか。もし別れることになったら、それこそ仕事が何もない状態になるわけだし。仕事で使えるスキルもそれほど残らないはず。本当の安泰は、自分で稼ぐ力を身につけることだと思います。

——そうすると、今は自分で稼げる力をつけたい?

ひとりで子供を育てられるぐらいの能力はほしいですね。それでいうと、リクルートで営業のいろはを学んで、その経験を糧にTENGAでPRの仕事に携われたのはすごく大きかったと思います。

自己開示できる“きっかけ”をつくっていきたい

——工藤さんはすごく計画的に転職をしているので、フリーランスになることが最終目的ではないと思うんです。今後について考えていることはありますか?

実現するかわからないですが、セクシャリティに関する事業を立ちあげたいなと思っています。今って性の悩みをオープンに話せる場がほとんどないんですよね。例えば、セックスレスの問題ってすごく複雑で、これという特定の要因がないんです。そういうことを自己開示できる“きっかけ”をつくりたいなって。

——自己開示できる“きっかけ”? 

はい。自己開示ってコミュニケーションのファーストステップとしてすごく大切だと思うんです。でも、個人的な悩みを他人に相談するのって勇気のいることじゃないですか。だから、そういうことが気軽に打ち明けられるきっかけをつくっていきたいなって。それができて、はじめてパートナーと向き合えるのかなと思うんです。

——大きくビジネスとして広げていくわけではないんですか?

まだわかりませんね。もちろん社会的なサービスになればとは思うんですけど、それで頑張りすぎると自分の幸せが見えなくなる気がして。もともと、私は自分の周りの人が幸せならそれで満足な人間だし、仕事がうまくいっていても家庭がボロボロみたいなのは嫌だから。ちょうど良い距離を探していきたいです。

文・ペイミーくんマガジン編集部 写真・室岡小百合

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