イラストレーターおさだかずなは考える、お金は「ありがとう」|お金空想ラボ
みんな当たり前のように使っているけど、お金ってもっと多用でいいんじゃない? そんな考えのもと、この「お金空想ラボ」では、さまざまなクリエイターの力を借りて新しいお金の形を考えていきます。第1回に登場するのは、イラストレーターのおさだかずなさん。一体どんなものを考えたのでしょうか。
おさだかずな|イラストレーター。幼少時よりイラストに親しみ、 東京デザイナー学院グラフィックデザイン科絵本創作専攻に入学。絵本制作における構成・デザインを学ぶ。色鉛筆を使った繊細なグラデーションと、ストーリーを重視したイラストを得意とする。現在は、雑誌や書籍のイラスト制作のほか、飲食店、CD、文具、雑貨などのデザイン、アニメーション制作など幅広く活動している。2014年には、絵本画家として「AR絵本プリンセス・プーパックとナオ」を出版。http://osadakazuna.com/
「ありがとう」を形に
——今回の作品のアイデアは、どうやって生まれたのでしょうか?
「お金」がテーマとのことでしたので、私を変えるきっかけになった「お金は、ありがとうを表現した形のひとつ」という尊敬するミュージシャンの言葉を絵にしました。
当時、私は絵だけで食べることできていませんでした。お金をいただいて絵を描くことに抵抗感があったんです。お金に対するイメージもあまり良いものではありませんでした。でも、それは自分のことばかり考えて絵を描いていたからだったんです。
そんなときに先ほどのミュージシャンの言葉を受け、「私、誰の役にも立ててないし、必要とされてないじゃん。だから、私は絵で食べることができていないんだな」となんだか腑に落ちて、お金や仕事に対する考え方が変わりました。仕事を頼んでくださる方、実際に絵を見てくださる方、そして商品を手に取ってくださる方のことを考えながら絵を描くようになったんです。
今は「絵を描いて暮らしています」と胸を張って言えるように、そのときに描ける最高をひねり出しながら日々を生きています。そして、私が何かにお金を払うときも「ありがとう」という気持ちと一緒に渡すようになり、また感謝の気持ちも一緒に素直に受けとれるようになりました。
——制作期間を教えてください。
アイディアに1週間ほど、下書きに2日ほど、着彩に3日ほどかかりました。
——制作するうえで難しかったことは?
「お金=ありがとうの形のひとつ」というイメージは早い段階で思い浮かんだのですが、それから具体的な形にする段階ですごく悩みました。そこで「ありがとうの気持ちを込めて最初に渡したお金はなんだろう」と古い記憶を辿ったところ、母に渡した「肩たたき券」を思い出して、絵にすることにしました。
——制作に使用している道具を教えてください。
色鉛筆、スキャナ、Photoshopです。画材についてはこちらの記事にまとまっているので、よかったら参考にしてください!
——このお金、どういうふうに使ってほしいですか?
受け取っていただいた方におまかせしたいです。使っていただいたら精一杯肩を揉みますし、ボロボロになるまでお財布に入れていてくれても、なんだかほっこり優しい気持ちになります。
おさだかずなさんが考えたお金の形
「ありがとう」