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継続支援プラットフォーム「ビスケット」を通じて、清水舞子は今日よりも明日が素晴らしくなることを願う。

肩書きを聞いてもどんな仕事をしているのかわからない人たちのリアルなお金事情を探る連載企画「ところで、どうやって稼いでいるんですか?」。その番外編として、ペイミーグッズプロジェクトのクラウドファウンディングでパトロンになってくれた5人の方々を尋ねました。1人目に登場するのは、継続支援プラットフォーム「ビスケット」を運営する株式会社祭の清水舞子さんです。

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清水舞子(しみずまいこ)|多摩美術大学中退後、繁華街の夜回り活動と並行してIT分野の開発に従事。それらの経験から経済格差や教育格差の固定に強い課題意識を感じ祭incを創業。「生まれや性別に関係なくすべてのひとにより多くの選択肢や機会が訪れますように」と願い、継続支援プラットフォーム「ビスケット」の事業を2018年に開始する。「人が言葉には出さないけどほしいもの」を想像してビシネスに落とし込むのが大好き。@shimiko1031

信用さえあれば、お金の必要性ってそんなにない

——清水さんはどんなものにお金を使うんですか?

私、本当にお金がなくて。会社でもいちばん給料が低いし、服も4着しか持ってないし、それなのに人に奢っちゃうし。

——お金がないのに奢ってしまうんですか(笑)。それはどうして?

どうしてなんでしょう。その方が人間関係を築けると考えているからかも。ライフラインを増やしていく感覚に近いかもしれません。

——ライフライン?

これは極論なんですけど、信用さえあればお金を持つ必要ってそこまでないと思うんです。例えば、ツケ払いってあるじゃないですか。あれって信用があるからこそ、成り立つものだと思っていて。縁をつくっていくのって、そのとき支払った金額以上に価値があると思うんです。

——なるほど。

その思想は、私たちが運営している「ビスケット」にも反映されていて。このサービスってクラウドファンディングのようにお金を支援したからといって、ものがもらえるわけでも、特別な体験ができるわけでもないんです。ただ活動報告が届くだけ。私は“信用の可視化”と考えてるんですけど、どちらかというと、その人の仲間になる意味合いが強いんです。

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みんな、居場所がほしい

——というと?

例えば、アイドルの応援の仕方っていろいろあると思うんです。グッズを購入することが応援の代わりになったりするじゃないですか。そのお金の使い方って、アイドルのようにスター性がなくてもできると思っていて。

——そういうお金の流れをつくりたいと?

そうですね。私、学費を貯めるために歌舞伎町のホステスで店長をしていたことがあるんですけど、「なんでお客さんはこんなにお金を払うんだろう」ってずっと考えていたんです。そのときに、みんな居場所がほしいんじゃないかと思って。夜の世界って色っぽく見られがちなんですけど、実際はスナックとかに近いんですよ。ふらっと足を運んだら自分の居場所がある。それがすごく大切で。お金は結果でしかないというか。

——居場所になるという考え方は面白いですね。個人的には人に会いに行くイメージが強かったので。

自分のことを必要としてくれる人がいるのって生きていくうえでめちゃくちゃ大事なんですよね。アイドルの握手会になんであんなに人が集まるのかっていうと、もちろんアイドルと握手できるのがうれしいのもあると思うんですけど、それ以上に自分のことを覚えてくれるのが大きい気がして。そうやって存在を認識してくれるだけで居場所になるじゃないですか。

——なるほど。

これもホステスで店長をしていたときの話なんですけど、そのときに上司と付き合ってたんです。その人は、仕事もできるし、周りからの信頼も厚かったのに学歴がないだけで転職活動がうまくいかなくて。それで「世の中おかしいだろ!」と憤慨して。どうにかして周りの人の評価によって選択肢が広がるようにしたいなと思うようになったんですよね。

——それって、すごく小さな話で終わる可能性もあったと思うんですよ。「好きな人が幸せならそれで十分」と考えている人も世の中にはいますし。それを社会的な課題として捉えたのはどうしてだったんですか?

最初は恋人がきっかけだったんですけど、IT業界に入ってみたら高学歴でも病んでいる人がいたりしたんですよね。そういう状況が目に入りすぎて、みんな助けたいなと思ってしまって。おせっかいおばさんの延長だと思います(笑)。目の前に泣いている人がいたら放っておけない性格で。

——共感性が強いんですかね。

そうだと思います。自分のことであれば我慢できるんですけど、辛い状況に陥っている人が視界に入ると自分まで辛くなっちゃう。だから、できるかぎり周りにいる人たちには笑顔でいてほしいんですよね。「自分のことじゃないんだから放っておけよ」と思う人もいるかもしれないですけど。

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——自分自身の幸せは考えないですか?

あんまり考えたことがないんですよね。自分のことはどうでもいいというか、事業の成長にすべてを捧げたいなって。本当はきちんと考えないといけないんですけど(笑)。

——何でそんなに苦しい思いをしてまで事業を続けているんですか?

代わり映えのしない1日がやってくるのが許せなくて。『まどマギ(魔法少女まどか☆マギカ)』ってアニメ知ってますか? ループしながらずっと戦争してるんですけど、そんなふうに「何にも変わらないじゃん、またこれ?」ってなるのが嫌で。少しでも世界が良くなってほしいんです。そうしないと自分に失望しちゃうんですよね。何も変わらなかった、何もできなかったって。「ビスケット」があることでひとりでも救われる人がいれば、それだけで幸せな気分になれるし、そのほかのことはどうでもよくなります。

自分の近くにいる人から愛していく

——話を聞いていて、清水さんは主語の範囲がすごく広いんだなと思いました。だから、

そうかもしれないね。「ビスケット」もそうですけど、私と思える領域が広がっていくことが幸せなんだと思います。もちろん、無差別に誰でも愛することはできないですけど。クソリプを送ってくる人とかはやっぱりむかつきますし(笑)。でも、自分の近くにいる人から愛していって、その輪が広がっていけば、世界は絶対に良くなると思うんですよ。

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——これからやりたいことって何かありますか?

将来的にやりたいのは職業訓練校ですね。

——学校がつくりたい?

学歴ってどうしても経済格差に寄るところが大きいし、大学は結局のところ研究機関じゃないですか。それよりも働くことに直結することがやりたいなって。それで生まれや性別に関係なく、好きな職業につけるような社会にしたいと思っています。

——起業したことで自分の理想とする世界に近づいていますか?

そうですね。もちろんサービスの成長という意味ではまだまだですけど。もっとインフラになるまでやっていかないと本当の意味で生活は変わらないと思っているので、「もっと頑張ります!」という感じですね。

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取材・文:村上広大 撮影:玉村敬太

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